2010年7月19日月曜日

文字入力って変わっていないようで変わっているんですね。

先日土曜日、今泉大輔( @dimaizum )さんとパクチーハウスの佐谷恭( @paxi )さんが主催する【夏のパクチーハウス ツイ飲み一周年】 というイベントに参加した。

参加された方は70人くらいいらしたと思う。全ての方にご挨拶できなかったが、自分にとっては有意義なお時間を過ごすことができた。

その中で安西洋之( @anzaih )さんのお話が印象に残った。

「iPhoneやiPadって今ブームだけど、それらを使用している人(特に男性)って格好いい?」
「デジタルネイティヴの代表である女子高生がiPhoneを使っていないのはなぜ?」

これらの言葉を聞いて、如何に自分が、巷のPRに毒されているか再認識した。
確かにiPhoneやiPadが売れている製品、すばらしい製品だ。商品の外観のデザイン、appleの文化およびUIはユニークなものだ。

問題なのは、そこで自分が思考停止に陥ってしまっていることだ。
私自身は、スマートフォンを使うことで自分で使いやすいように設定して使いこなすのが好きであるし、実際にそうしている。もちろん、ITの世界で働いているのでそうでない人に比べれば、スマートフォンの設定、あるいはネットワーク、PCの設定もそれなりにこなせる。

では、他の人はどうだろう。最近は、通勤時間中はtwitterをしているため、あまり電車の中の周りの人を見る機会が減ってしまったように思う。先日観察したら、確かにiPhoneを使っている人は増えたが女子高生などデジタルネイティヴな人はあまり使用していない。

理由の一つに文字入力があると思った。
電話機は、12個のボタンからなる。PCのキーボードのキー配列は日本では106キーボードがベースとなっている。(実際には様々な種類があるが)
電話機のキー配列は、1964年にAT&T社が決めたものであるし、106キーボードも1958年にJIS制定後、IBMが設定した仕様である。

つまり、キーボード配列は50年ちょっとの歴史しかもっていない。しかも、多くの人は1980年代になって初めてパソコンやワープロで文字を打つようになった。キーパンチャーといった仕事があったくらいだ。30年以上、今のキーボード配列で文字を出力している人は少ない。

私の知る限り文字入力の歴史を整理してみる。

90年代半ばはポケベルが流行する。公衆電話の12個のボタンで相手にメッセージを送る。実は、私はポケベルを持ったこともないし、メッセージを打ったこともない。しかし、友人が「ちょっと待って。ベル打ってくる。」といって公衆電話に駆け込み、通話料10円で驚異的な早さでボタンを押していたのを覚えている。これが、携帯電話の文字の配列に繋がり、今でもポケベル打ちを搭載している携帯電話はたくさんある。団塊ジュニアから76世代はポケベル打ちができる人が多いのではないか。

2,000年代になると携帯の文字入力は更に進化する。携帯が高機能のCPU、メモリを搭載するようになったことで文字入力も予測変換が可能となった。そのため、ポケベル打ちのように全ての文字を打つことなく、文章が書けるようになる。逆に、鉛筆で文字を書かなくなったことにより、「漢字を忘れるようになった」といったことまで起きている。

一見進化していないようにみえて、実際の文字入力は進化している。世代によって使いやすい文字入力が違うのだ。

私の上司は今年50歳になるが、日本語を打つときは、「かな」打ちである。80年代前半までにIT業界に入社した人は「かな」打ちをする人が一定数存在する。
今の中学生、高校生は、PCよりも携帯電話に接する時間が多い。携帯電話の12個のキー配列が一番入力しやすいかもしれない。

2,010年代後半には、「ボタンを押すって古いよねー。」と言われる日が近いかもしれない。声で判別したり、自分のジェスチャーが言葉に変換されるかもしれない。

ただ一つ言えるのは、少なくても私は106キーボード配列が最も長く接したストレスの無いキー配列だということだ。
スマートフォンでは、日本語はフリック入力を使っているが、英語はキーボード配列で入力している。

文字入力は緩やかに進化している。今は、PCのキーボード配列と電話のキー配列が混在しているが、今後どうなるのか。
しばらくは共存しそうだ。しかし、これから様々な形状、大きさのデバイスが出てくる。様々なデバイスの形状にあった文字入力が出てくるだろう。しかし、突然斬新な新しいタイプの文字入力が出てくるわけではなく、今までの文字入力が徐々に変化していくであろう。また、文字入力も標準とよばれるものがなくなり、その人に合った文字入力が出てくるのではないか。

文字入力を含めたUIを開発する場合、クールなライフスタイルも一緒に考えたほうがよい。「省エネルック」と「クールビズ」が最もいい例ですから。でも、「クールなライフスタイルって何だろう?」、少なくてもデザイナーさんなどの感性の強い人とお話させていただきながら創り出せたら面白いなぁと思ってしまう。(そのような異業界の方々と簡単にコンタクトをとれるのが、現在のtwitterのメリットだと思う。1年後、同じことが出来るかどうかは疑問)

また、文字は国によって違う。当然文字入力の仕方も国によって違うはず。高齢化、人口減少が始まっている日本より、これからは新興国をマーケットにしたUIを創り出せたらおもしろい。時間があったら、新興国を旅行したいなぁと思う今日この頃。

最後に、【夏のパクチーハウス ツイ飲み一周年】を主催していただいた今泉さんと佐谷さん、ありがとうございました。

P.S. 最近、twitterばかりやっていた。昨日はtwitterをせずに読書の時間。でも、まだこれを読んでいない。

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