2012年6月3日日曜日

プロジェクト完了!損失ゼロ達成!

先月、お客さまから検収印をいただいた。

これで、数ヶ月に渡るプロジェクトの採算という意味では成功した。

「採算という意味では」と書いたのは、実はお客さまの都合で仕様変更が発生し、今月中に仕上げる必要があるからだ。お客さまのビジネスの成功をゴールとする私にとっては、まだ気は抜けない。

 

このプロジェクトが始まる前に、会社の上層部からさまざまな厳しい言葉をいただいた。いや、厳しい言葉というより、嫌味だった。見積もり時に何度もシミュレーションしたが、採算をとるシミュレーションができなかった。一方、「何としてでも、ある時期までに受注しろ!」という司令を受けていたため、安値での受注になるリスクを孕んでいた。

 

実際、同じお客さまの1つ前、2つ前のプロジェクトでは、膨大な赤字を計上した。実際に製造原価(90人月)とほぼ同じ額の赤字を計上した。2つのプロジェクトの尻拭いをした自分の中に、様々な悔しい思い、上層部への怒りがあった。今でも、その気持ちが消え去ったかといえば、消えていない。ただ、ネガティブな気持ちをそのまま引きずっていても何も改善しない。「自分で改善できるところから改善しよう、できる限りのベストは尽くそう」そう思って今回のプロジェクトに臨んだ。

 

自分の中の目標は

「損失ゼロ!」

「利益ゼロ」ではなく、「損失ゼロ!」だ。(プロジェクトの目標は、利益がゼロに近い◯◯円だけど...)

 

なぜ、「利益ゼロ」ではなく、「損失ゼロ」なのか。

二つの意味がある。

 

一つは、「無駄なことを無くす」という意味合いを持たせたかった。その場合、「損失◯◯円→損失ゼロ円」というように「損失」にフォーカスをあてた方が自分の中でしっくりきたからだ。

もう一つは、今回のプロジェクトには、「お客さまに説明できる自社のエンジニアの付加価値はない」ことを肝に銘じておきたかったからだ。契約時にお客さまから「高い!」と言われ、お客さまに高い理由を納得していただけなかった。

 

実際は、無駄だと思うこと、優先度を下げてもよいものを着手しないようにした。

開発の最前線に立っていない人々(上司含む)の意見はスルーした。「何様だと思っているんだ」と思う人もいるかもしれないが、反省点をベースに、自分が信じているやり方、自分が考えぬいたやり方を最優先にして仕事を組み立てた。

お客さまからいただいた要求仕様書にも徹底的に噛み付いた。お客さまにとって無駄だと思えること、曖昧だと思えることには、その理由を主張し改善した。

改めて、システム開発が失敗する理由は、契約までの準備不足だ。

自分の結論は、準備不足は「当事者意識」からおこる。特に、管理職であればあるほどその傾向が強い。管理職は仕事の責任範囲が広いため、そのような傾向に陥りやすいのは理解できるが、丸投げする姿勢を見せた瞬間、部下からの信頼は一気に崩れる。

少なくても、開発メンバーには、そのような姿勢は出さないようにした。

自分に問題がある場合は、すぐに謝ってメンバーに動いていただく。誤って指示を出さないだろうか、失敗しないだろうかなんて考えない。言い訳なんてもってのほか。その時間が勿体ない。

 

「損失ゼロ」にするために、何が必要か。

私の結論は、「当事者意識」と「先手を打った行動(PDCA)」だ。

これを徹底するだけで、「損失ゼロ」の大部分は防げると思う。各自の役割に沿って徹底的に考え、行動する。上の立場であればあるほど、この行動ができないと組織として膨大な損失を被ることを身にしみている。

 

今回も、開発メンバーの方には大きな負担をかけた。ただ、前回、前々回と比較して、開発メンバーの方に休日出勤をほとんどしていただかずに済んだこと、私も1回も徹夜して仕事せずに済んだことは非常に良かったことだ。

 

 

さて、次の目標は...

といいますと、その前に今月で今の会社を退職します。

来月から別の会社で勤務します。

社内の関係者には、既に報告済みであり、現在後任者への引き継ぎを並行して進めています。

転職理由は、「自分の得意とするスキルを必要としてくれる組織で働きたいから」です。

今の会社のキャリアパスでは、現状そのようなキャリアパスを用意されておらず、それを変えるには膨大なエネルギーと時間を要すると思ったからです。

いわゆる伝統的なSI(システムインテグレーション)のビジネスモデルでない企業に転職します。

 

Facebook、twitterなどでお付き合いのあるみなさまと、お仕事で一緒に関わる機会が増えると思いますので、今後も何卒よろしくお願いいたします。

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